オステオカルシンを検索の日々

『オステオカルシン』という単語を検索することが日常になっていた2013年の頃。目に飛び込んできたのは、当時九州大学教授の平田雅人氏の論文でした。

オステオカルシンは骨の中に含まれている物質ですが、平田教授の論文によると、『オステオカルシンを口から摂取すると、メタボリックシンドロームの予防として有効な働きが期待できる』というものでした。

数年前から私は豚骨ガラを加工して、ペット用サプリメントの原料を供給していました。当初の目的はカルシウム供給と腸内のデトックスでしたが、それ以上の様々な効果が現れました。

① 毛並みがよくなる。② 食が細くなっていた犬の食欲が増す。③ 寝たきりの犬が散歩できるようになる。④ 体臭が薄くなる。など、老犬特有の症状が改善されたのです。              

平田教授の論文を目にした瞬間に、論文の内容と老犬に現れた効果に同様の関係性があると考えました。もしかすると、豚骨ガラからオステオカルシンを抽出すれば人用のサプリメントができるのではないかと思い、県の機関に「何とか九州大学に紹介していただきたい」と、お願いしました。直接お電話させていただいたりもし、念願の平田教授とお会いできる日が来たのです。

すがる思いでオステオカルシンの試験依頼

平田教授との面談の日、豚骨ガラからオステオカルシンを抽出すれば安価で人用のサプリメントができ、更にそれは世の中の役に立つことになる。と、必死に訴えました。 しかし、当初は豚骨ガラを10時間も煮込むのであれば、オステオカルシンは流出してしまうか、あるいはタンパク質であるため、熱によって変質してしまう可能性が大きいのでは?と、両者で議論があまりかみ合わなかったことを記憶しております。

しかし、数年間のオステオカルシンへの強い思いから諦めきれず、「何とか調べていただきたい。」とお願いしましたら、こちらの熱意を汲み取っていただき「可能性があるのでしたら。」と引き受けてくださいました。

あのときの願いを聞き入れていただけてなかったら、そこでオステオカルシンへの道は終わっていたと思います。ご協力いただいた平田教授には本当に感謝いたしております。早速、数日後に豚骨ガラを持ち込み、オステオカルシンの残留濃度を調べていただきました。

期待を超えた検証結果。そして、

約1週間後に平田教授から直接メールが届きました。驚いたことに、10時間の煮込みにもかかわらずオステオカルシンの多くが残留しており、豚骨ガラはサプリメントの抽出原料として使える可能性が高いという見解でした。

ただし、現在マウスの試験で使用しているオステオカルシンは純度の高いものなので、豚骨ガラから抽出したオステオカルシンが、どの程度効果があるのかはマウスを使って検証してみないとわからないということでした。 人用のサプリメント開発にはたいへん重要なことでしたので、マウスでの試験も有り難くお願いいたしました。

数カ月の時間が流れ、ダメだったのだろうかと思い始めた頃、再び平田教授からメールが届きました。内容は、純粋なオステオカルシンと遜色ない効果が実証されたというものでした。さらに、今後は豚骨ガラオステオカルシンのサプリメント化の研究にも協力したいとのことでした。

心の中で「ヤッター!」と叫びました。全身から力が抜け、ですが頭だけは興奮状態が続いていたことを記憶しています。

2014年の論文では、豚骨ガラ抽出のオステオカルシンによる効果も紹介されました。 今までコストをかけCO2を発生させ焼却されていたものが、肥料になり、ペット用サプリメントになり、そして人用のサプリメントへと扉が開いた瞬間でした。